手術後の注意
 手術を受けた患者さんは、いつから仕事に復帰できるのかが最も気になります。

「いつから仕事に行けますか?」 ・ 「いつからスポーツできますか?」

 手術した場所の数、痛みの感じ方には個人差があります。また、仕事と言っても、事務仕事で座ったままであったり、いつも外で働く体力勝負のような力仕事の方もいらっしゃいます。ですから、一概に「いつから」と答えることは難しいのが現状です。

 傷の大きさ、術後の経過、仕事の内容、年齢によってもかなりの違いがあります。普通の切り傷は、1週間もすれば抜糸を迎えてふさがってしまいますが、お尻の場合は、普通の傷とは違い、1日1回排泄の為に傷を開き、便が擦れながら治さなくてはなりません。また、常に傷の面は乾燥することが無いので、「かさぶた」もできません。このように、非常に過酷に状態にあるために、安静にはできません。傷が完全に治るには、早い人ででも1ヶ月、遅い人では2ヶ月前後かかることがあります。特に持病として、糖尿病などがあると、傷の治りは遅れることが知られています。

 専業主婦のように、基本的に自宅での動作であれば、特に制限がありませんが、お仕事で長時間座ったまま、力仕事、動作を多く伴う仕事といった内容であれば、もちろん、多少の制限は付きまとう事になるのは、言うまでもありません。

 たとえ軽い痔核で1泊2日の手術を受けても、1日で傷が治るわけではありません。手術後1〜2週間程度はあまり無理をしないでください。その後で、仕事をする、スポーツをする、自転車に乗るなどの動作で、無理がなければいいのですが、心配なら控えて下さい。無理をすると出血などを引き起こすことにもなります。これからも毎日お世話になる肛門様です。傷が完治するまでは無理をしないでください。

 また、術後3〜4ヶ月経っても、排便時に痛みや、軽度の出血などがみられる場合には、手術によってできた傷が、日常生活の排泄によって、傷が開かれる事を繰り返しているうちに、完全に治りきらずに、慢性的な裂肛として完治せずに残ってしまう場合があります。このような症状が続く場合には、遠慮なく、外来を受診していただき、その旨をお伝えください。