結構と役に立つ「肛門鏡」

実際に自分の目で確認できるのが好評です
 初診の診察時に、円筒形をした器具を挿入するだけです。

 診察時に、「これは患者さんにも実際に目で見てもらったほうが、説得性も増すし、理解しやすいだろう」とこちらが判断した場合に、「肛門鏡」という長さ10cm程度のプラスチック製の筒を肛門から挿入して、患者様と一緒に確認しながら肛門周囲を観察しながらゆっくり引き抜いてくるという簡単な検査です。

 指が入らないような強い狭窄、あるいは直腸診で特に激しい痛みが無ければ、誰にでも簡単に行える検査です。

 これによって判明する病気は多々あります。肛門は、いわゆる「穴」ですから、単純に部位分けすれば「前」「後」「右」「左」の4方向に分けられますが、「右前」という言い方をすれば、8方向を表現する事ができます。

 実際の医療現場では、さらに細かく時計の針の様に、「3時の方向」といった具合に「12方向」で物を語るのですが、肛門鏡を挿入して患者様と一緒に病気の有無、そして病気があった時に、どの方向にあったのかを説明できれば、より病気に対しての理解度が深まります。

【肛門鏡で発見しやすい症状・病気】 
 裂肛
(切れ痔)
 切れている(裂けている)ので、表面の皮膚、粘膜が一部裂けていて、傷がパックリと開いた様子が観察できます。時に出血している様もが確認できます。
 血栓性外痔核  「血豆」によってできた隆起で、薄い皮膚の下に、血の塊が青黒く透けて見えるのと同様に、黒っぽい色のしこりとして確認できます。
 内痔核  内部に、周囲と比較して、一部の粘膜が隆起しています。時に出血する様子も確認できます。やはり大きなものは目立つので、一目で分かります。
肛門ポリープ  白色調のこん棒のような形をした隆起が見られます。悪いものではないので、基本的に本人が気にならなければ、切除の適応はありませんが、いつも肛門から何か出るような感じがする、違和感があるという症状が現れる事もあり、切除の希望があれば、手術で切除も可能です。
 出血(下血)  出血があれば粘液も赤くなります。粘液の色を見る事で、出血していた形跡の有無が確認でき、血液らしきものが「アリ」なら、内視鏡検査を行い、出血源を確認する必要があります。
 潰瘍性大腸炎  比較的若い人に発症する治療が必要な大腸炎です。特徴的な粘膜像を呈します。粘液の多量な産生で、白い粘液が見られたり、出血や、直腸粘膜が炎症を起こしているような像が観察されます。

 このような病気が疑われた場合は、確定診断の為に、後に大内視鏡検査を行い、粘膜を一部採取する必要となったり、同時に炎症が大腸のどこまで広がっているのかを確認する必要があります。

 「肛門鏡」の長所は、簡単で、苦痛もなく直腸・肛門を観察できる事です。

 粘膜の色調、肛門周囲にできる病気を、「視覚」で確認できる事が最も多きな大きなメリットです。患者様も、自分の目で確認できることで説得力もあり、もし怪しい兆候があれば、その先の大腸内視鏡検査を受ける勇気を与えてくれる材料にもなります。

 肛門の周囲は、「天橋立」を見るよな格好をしても、そう簡単に見えるものではありません。きっと、アノ恰好をしても、見えないな、と思った方は、次に鏡を使って観察する人もいるかと思います。しかし、見えるのは肛門部の「表面」だけです。

 直腸の内部までは観察不可能ですし、仮に肛門に異物を入れてまで観察できたとしても、素人の場合は、正常との比較ができないので、そこまでする意味がないと思います。ですから、そういう点では、非常に意味のある検査であると思います。

 この検査を受けた患者様から、「実際に見れてよかった」、「よくわかった」という意見を多数頂いております。

 何か、肛門に違和感を感じたら、「肛門科」という敷居など気にせず、すぐに、気軽に受診して、早めに病気を有無、さらには、診断名をはっきりさせる為に、早めに検査を受けておくのが賢明です。

 病気が無ければ「よかった」ですし、早いうちに発見できれば、それも「よかった」なのです。

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