大腸内視鏡検査の前に飲む「大量の下剤」。
医療機関によって「味が違う」ってご存知でしたか??
NEW!!当院では、2016年10月、新薬「ピコプレップ」を採用しました。
1リットル以上飲まないといけない「あの大量の下剤」のお話です。

 残念ながら、どこの医療機関に行っても、1,500〜2,000mlの量の下剤を飲まないといけないのは変わりありません。ですが、実は個々の医療機関で採用している下剤の種類が異なるのです。

 ここで、最も問題になるのは、「どの下剤を採用しているか」です。もし、一種類しか採用していなければ、一方的に「これを飲んでくださいね」と、強制的に飲むしかありません。それも当然です。その医療機関では、選択の余地がないのですから。

 「選択って言ったって、何種類あって、どんな特徴のある下剤なのか、何も分かりません!」。確かにその通りです。それは、各医療機関が下剤の「メニュー」を準備していない、複数の下剤を持ち合わせていないからです。

 想像してみて下さい。極端な事を言ったら、ラーメン屋に行って、メニューも見せられずに、「これを食べて下さい。」といった具合です。ありえませんよね?

 「検査なら仕方ないです」、大病院であれば、そう解釈して「あきらめる」方もいらっしゃるでしょう。でも、小さな医療機関では、「あそこの下剤は不味かった!」「前の病院よりも飲みにくかった!」となり、話は変わります。ネット社会、検索能力に卓越した人ならば、「もっと美味しいものはないのか? もっと飲みやすい下剤はないのか?」 いくらでも、調べられるでしょう。「前の病院よりも美味しかった」、「あの味ならもっと飲めた」という口コミ、つぶやき、噂、評判があれば、そちらに流れていくものです。

 ここでまた問題になるものは、「美味しかった」と言っても、万人に受け入れられるものではないという事です。「あそこのラーメン屋うまいよ!」と言って、10人が10人全員美味しいと答えるか、という問題です。味噌、醤油、塩、とんこつ、つけ麺…「好み」の問題なので、全ての人が心底から「美味しい」と答えるかは微妙です。

 下剤の種類はラーメンほどありませんが、個人には味の好みというものがあります。個人になるべく受け入れられやすいものを提供するのが、こちらの役割です。当院では、検査を予約する際、味の好みを聞いて、なるべく受け入れられやすい下剤を提供するよう心掛けております。

 さてここで、これまであまり語られていなかった下剤の種類について解説したいと思います。

 もともと、下剤は他に数種類があるのですが、その中で比較し、秀でる魅力の感じた3剤を、これまで当院では採用してきました。そして、2016年10月より、これまでの下剤にはない特徴を備えた「ピコプレップ」を採用しました。4剤を一覧にしましたので、その特徴をご覧ください。

マグコロールP モビプレップ ビジクリア  NEW!!ピコプレップ
 
【 費 用 (3割負担)・ 必 要 飲 水 量 】 
 250円  720円  610円 620円
 1.8 リットル  1.5〜2.0 リットル  1.6 リットル 2.3 リットル(合計)
※2回に分けて
 
 【 長 所 ・ 特 徴 】
 スポーツドリンク(ポカリスエット)のような味で、最も飲みやすく、受け入れやすい味で、「美味しかった」、「苦痛なく、違和感なく飲めた」、「この味なら、まだ飲めた」という感想が多い下剤です。洗浄効果も、おおむね問題のない効果を得ることができます。
 他の下剤よりも個人負担金が最も安いのも特徴です。
 統計的に、他の下剤よりもやや内服量が少なく、早く、よりキレイに洗浄が完了できます。
 味は、飴の「小梅ちゃん」のような、すっぱい、濃い味がします。スポーツドリンクのような、「甘いのは苦手」という方には向いています。
 左記の下剤のような、同じ味の液体を飲み続ける必要がありません。自由な味の液体(水、お茶、麦茶、ホットでも)で飲む事が可能です。モビプレップに次ぐ洗浄能力があります。
 「甘いのも、すっぱいの、人工的に味付けされたようなものは苦手」という方にはお勧めです。
 唯一、睡眠前と起床後に2回に分けて飲む下剤。これまで、検査当日2時間で1.5リットル前後の下剤を飲むのは大変だった、という方に向きます。
 睡眠前後に150mlの溶かした溶液(オレンジ味)の後に、自由な味の液体(透明な液体なら何でも可能)が飲めます(前日1250ml、当日750ml)。
 ※総飲量は最も多いのですが、2回に分けて飲むので、印象としては決して多くはない。オレンジ味も、割と飲みやすい。
 【 短 所 】
 モビプレップと比較すると、洗浄が完了するまでの時間が(数十分程度多く)かかります。
 少数派ではありますが、「甘いのが苦手」、「スポーツドリンクが苦手」という方は勧めにくい下剤です。
 濃い液体なので、体は脱水傾向になり、内服の後半に水分を摂取してもらう、という飲み方を十分に理解しておく必要があります。
 一人暮らしの方や、すっぱい味が苦手な方には勧めにくく、他の下剤と比べて、最も負担金が高くなります。
 小指の頭くらいのやや大きな錠剤を40錠(15分毎に5錠を2時間かけて)内服しないといけません。
 約16x8x6.5mmの大きさです。
 睡眠中に便意がおこり、睡眠の妨げになる可能性があります。
 前日の夕食の食べ終わりが午後6時前後と、やや早めなので、前日仕事などで帰宅が遅い方には向きません。
 大腸内視鏡検査自体は、大腸の最も奥である「盲腸」まで挿入し、観察するのに、3割負担で約7,000円かかります。これに下剤の料金が、上乗せされます。
 下剤が患者様の味の好みで選択できるという事は、かなり珍しいことです。当院では、前にも述べましたが、大腸内視鏡の検査を予約する際、なるべく下剤の種類を選んでもらっています。中には、当院のHPを熟読して来られる方もいらっしゃいます。予約時に、「この下剤にしたい」という希望があれば、申し出ください。臨機応変に対応いたします。 

大腸内視鏡検査 INDEXへ