大腸内視鏡検査は、

何歳まで受ければいいのでしょうか?
 ○○歳までです! という上限はありません。

 80歳になって、無事検査が終了して、その後の説明では、「特に治療が必要な病気は発見されませんでした、よかったですね!では、また2年後でいいので、定期的にやっておきましょう、お大事に。」と言われてしまいました。

 「う〜ん、次は82歳か…。生きてればだけど、自信が無い訳ではないが、いったい何歳までやったらいいのだろうか?」。と思う方は当然います。

 小さなポリープが将来全てがんになる訳ではなく、一部のポリープがだんだん大きくなり、命を脅かすような大腸がんになるまでは、もちろん個体の差もありますが、数年かかると言われています。

 逆に、それだけ時間がかかるので、「原則、毎年大腸内視鏡検査をする必要はなく、2年に一回でやっておけば、手術が必要になるような大腸がんが発見んされる可能性は極めて低く、ポリープができていたとしても、内視鏡で簡単に治療ができるくらいのサイズのうちに見つけてあげられる可能性が高いでしょう」という事です。

 では、数年か…と計算し、現在80歳。「平均寿命を超えればいいか?」とか、「もう、ボチボチじゃないか?」とか、「せっかくだから、東京オリンピックは見ておきたい」とか、「贅沢と言われるかもしれないけど、もう少しは…」などなど。

 よく、高齢者の検査に立ち会いますが、皆さん、十人十色の意見をお持ちの様です。さて、ここで、最初に結論を述べてしまいましたが、「○○歳までやらないといけないのです!」という答えはありません。

 高齢者の方が個々の意見を持つように、個人によってそれぞれ異なります。では何を基準にすればいいのでしょうか。

1.今現在、自分が何のために何の検査を受けているのか、しっかり理解できているという事

 誰でも避けられない加齢、それに伴う認知症などによって理解度は多かれ少なかれ低下します。自分が何をされているかも分からずに、「そんな所から管入れて、お腹をかき回されて、もうやめとくれよ…」というような状況で、果たしてどれだけの意味があるのか、ということになります。

2.あの下剤が飲めるという事

 どの下剤を選択しても、リットル単位の液体を飲まないと、腸は洗浄されないので、物理的に飲めなければ、もちろん検査はできません(直腸だけを検査するという場合は飲まなくてもできますが)。

 加齢と共に、「食」は細くなります。「あんなに大量な下剤、昔は飲めたけど、今は飲めない…」となれば、盲腸まで残渣の無い検査を受ける事は出来なくなってしまいます。

3.あの頻回な便意に、自分の足腰でトイレにササッと行って、対処できる事

 便意があったその瞬間にササッとトイレに行かなければ、容易に想像はつくと思いますが、きっと足元まで大変な事になっていると思います。もちろん、トイレに行けないからダメ、というのではなく、あの排泄に対応できるように状況を整える事ができれば、問題はないと思います。

 大雑把な基準というのが、以上の3点です。

 当然ですが、全ての方に該当する訳ではありません。個人の身体能力、思考能力には差がありますので、あくまでも、大雑把な基準として捉えて下さい。

 また、2年に一回やらないといけないのか?という事ですが、その程度で検査しておけば、将来治療が必要な病気ができたとしても、大した苦労をしなくて治療ができる(小さい)段階で、病気を発見してあげられる可能性が高いのです。3年経過してしまったから、がんができている、という訳でも当然ありません。

 例えば100歳、大往生でお亡くなりになった方の死因が「大腸がん」でなければ、結果論になってしまいますが、その方は一生、大腸内視鏡検査をしなくてもよかったという事になります。

 昨今、「平均寿命」という言葉もありますが、「健康寿命」という言葉も耳にします。「健康上の問題がない状態で日常生活が送れる期間」とあります。

 ちなみに健康寿命は男性で71歳、女性74歳(厚生労働省「平成25年簡易生命表」などにより算出)らしいですが、これよりも高齢で大腸内視鏡検査を受けていらっしゃる患者様は沢山います。

 大腸がんは、小さなポリープから何年もかけて大きくなります。急に大きなモノが発生して、命を脅かすようなものではありません。

 元気なうちは定期的に検査を受けて、大腸がんによって、人生を左右されるような事になってしまわないよう、「個人が考える年齢まで」検査を受けていけばよいと思います。

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