大腸がん SUPER INDEX

 食生活の欧米化に伴い、日本でも欧米諸国に多い大腸がん、直腸がんが非常に増えています。「痔」だと思ったら「がん」だったということは、「がん」と診断された殆どの人が考えます。大腸がんを早く発見するために、市町村では40歳を越えたり、企業では、30代から便潜血検査が検診に導入されることがあります。幸いなことに、大腸がんは他の臓器の癌に比べて比較的転移の傾向が遅く、早期発見、早期手術によって完治する確率が高いといわれてます。また、早い段階で発見できれば、皮膚に傷一つ付けることなく治せるのです!

 お尻から出血したり、便が残っているような感じがしたり、便秘や下痢を繰り返したり…。このような症状のある方は大腸の検査を受けることが賢明です。成人病検診で胃の検診を毎年受けるように大腸がん検診も積極的に受けることが大切です。

 次のような話も珍しいものではありません。早期発見のために便潜血検査を受けていて、結果が毎年「陰性」だったので、「今年も1年安心して過ごすことができる」と思っていたら、ある日突然下血して、近くの胃腸科で大腸内視鏡検査を受けたことろ、「進行がんが発見された」というものです。

 「どうして?」と思うかもしれませんが、便潜血反応とは、文字の如く、「便に血液が付着しているか、いないか」の判定に過ぎません。つまり、「大腸がん=便潜血陽性」ではありません。腫瘍があっても、出血していなければ、検査の判定は「陰性」になってしまいます。
 では逆に、「便潜血陽性=大腸がん」でしょうか?これも違います。便潜血陽性のほとんどは、痔核や、裂肛などの肛門の病気が原因となっている事が多いのです。その中に希に大腸ポリープや大腸癌が発見されるのです。さらには、胃潰瘍や、十二指腸潰瘍でも、出血していれば、血液が消化管を流れて「陽性」になることも珍しい話ではありません。若いからといって安心とは言えません。時には20代、30代のがんが見つかることがあります。

 現在の最も優れた大腸精密検査は内視鏡検査です。当院では月に120〜130人の内視鏡検査をしています。「異常なし」が十中八九です。治療が必要と思われるポリープは、1〜2割の頻度で発見されます。その中には将来悪性になる、つまりがんになる可能性のあるものも含まれています。
 一般的に大腸がんの検査は2年に一度受けていれば十分と言われています。なお、がんはもちろんのこと、切除の必要のあるポリープなどが見つかった場合には、治療が可能な病院に紹介します。病診連携で、主な病院がご覧になれます。

 当院では1993年から内視鏡検査を始め現在20,000件を数え、ここ数年、約4%の患者さんに手術が必要と思われるがんや、がんの疑いがある患者さんが見つかります。その場合は手術可能な施設をもつ病院を紹介しますが、幸いなことに、手遅れと思われる末期がんよりも早期がんの方が多く、「お陰様で無事に退院が出来ました。」と、ニコニコしながら再来する方も沢山いらっしゃいます。早期発見、早期治療、その重要性がご理解いただけると思います。

 体のどこかに異常を感じたらば年齢に関係なく診察・検査を受けることが大切ですが、特に40才以上の方は、2年に1度、大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

 大腸がんについては、その内容が多岐におよぶため、項目別に詳細に解説してみました。原則的に上から順番に読んでいただければ、内容が理解しやすいかと思います。


1.「大腸とは」
2.「腫瘍・がんの確定診断」
3.「どうして がん ができるの?」
4.「大腸がんは、どの部位に多いのですか?」
5.「出血した」
6.「便意が頻回になった」
7.「最近便秘、下痢気味になった、おなかがはる」
8.「おなかにしこりができている感じがする」
9.「貧血・顔色が悪い」
10.「大腸がんの治療法は?」
11.「進行したがん」って「進行がん」のこと?「早期がん」との違いは?
12.「転移ってなに?どこに行くの?」
13.「転移があったら手術できないの?」
14.「大腸がんと診断されたらどうなるの?」
15.「俺は血液検査で がん がわかったんだ!」
16.「手術したのに再発ってあるの?」
17.「検査結果の言葉のアヤ。「ない」は、「見えない」
18.「抗がん剤って怖い??」
19.「抗がん剤は魔法の薬ではありません」
20.「便潜血反応の罠」