「腫瘍・がんの確定診断」

 腫瘍は人体の細胞から発生した「細胞」の塊です。人間は、約60兆という細胞が集まって構成されています。その発生した「腫瘍」も当然細胞で構成されています。「良性」「悪性」という言葉がありますが、何をもって判断するのでしょうか?

 それは、主に内視鏡検査で観察した大きさ、外見、形、凹凸、詳細な粘膜の模様(ピットパターンといいます)、なども十分参考になります。中でも決定的なものは、その腫瘍の一部をつまみ(生検)、染色し、顕微鏡で観察して、病理医の診断によって個々の細胞の形態(配列、大小不同、色素の染色性、核分裂像など)を見て確定診断がつきます。細かいことはヌキにして、「悪性腫瘍」=「がん」と考えて下さい。ちなみに、良性腫瘍の代表選手は、子宮筋腫などが、なじみ深いでしょうか?

 生検結果の形態的な分類は、ローマ数字で5段階評価されます(Class I〜V)。
Class I、II(1,2) は、正常の臓器の粘膜から採取されます。Class III(3) は、少し膨らんだポリープなどから採取されることが多く、良いものでもないが、悪い物でもない、といった具合です。Class V (5)が、悪性、つまり「がん」です。では、Class IV(4) はどう考えればよいのでしょうか?

 「細胞の一部をつまんで採取してくる」ということは、氷山の一角を観察しているにすぎません。腫瘍の一部には、まだがんになる途中、「過程」にある細胞もあります。Class IV とは、「前がん状態」とも解釈することができ、Class Vの「がん」に準じた治療を必要とする事になります。内視鏡画像上、明らかにがんであるのに、細胞を取ったらClass IVであった、ということは珍しくありません。つまり、がんの確定診断に至っていないのですが、「がんじゃなくて良かったね」、と言うことにはなりません。

 確定診断とは、その採取した細胞を顕微鏡で観察した結果、がん細胞であると、診断された時点で確定診断がつくのです。

戻る「大腸とは」
次へ「どうして がん ができるの?」