「転移があったら手術できないの?」

 手術はします。転移がなければ、もちろん手術しますが、「転移があった」という理由では、手術をしない理由にはなりません。なぜでしょうか?

 もし、放置したらどうなってしまうでしょうか?まず、根治性(完全に体からがん細胞をなくす事)が望めないとしても、大腸の場合、腫瘍の増大に伴い、出血(下血)が増加します。出血源を切除しない限り、貧血の進行は阻止できません。この理由から考えても手術が必要になることは想像できると思います。延々と失われる血液を補充(輸血)しているのでは、栓がずれた風呂釜の湯が減っていくのに対して、蛇口から水を入れているようなものです。しかし人間として、一生輸血しながら生きていく訳にはいきません。

 次の問題は狭窄です。大腸が狭窄したらどうなるでしょうか?食べ物が通りません。つまり「腸閉塞」とです。
 これは大変な事態です。ガス(おなら)、便が出ないという状態は、猛烈な反復する腹痛を伴います。この文章を「ふ〜ん、なるほどぉ。」などと言ってのん気に読んでいられる状態ではないはずです。恐らく、救急車で病院に運ばれ、腸閉塞の診断が確定し、危険な状態と判断されれば、緊急手術になりうることも十分にあり得ます。

 つまり、転移があっても、「貧血の進行を阻止する」、「腸閉塞を解除する」という事が手術を行わなくてはならない理由です。

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