「手術したのに再発ってあるの?」

 残念ながらあります。
 初回手術で、明らかにがん細胞が切除しきれない範囲に広がっていた、というのであれば早くて数ヶ月という期間でCTなどで再発の徴候が現れます。それを遅くさせるために、抗がん剤の治療などを補助的に術後に使用することになります。しかし、「術前検査で転移はありませんでした」「手術でお腹の中まで見たけども転移はありませんでした」と言われたのに、再発の疑いが浮上することもあります。

 細胞は極めて小さいというのは最初に述べました。そんな細胞が数百、数千という単位で集まっても見えません。CTや超音波といった検査で転移が明らかになるのは、せいぜい5mmを超えてからです。さらに、CT検査は、大抵、体を5mm〜1cm間隔で断層(輪切り)写真を作成します。がんの塊がアズキくらいの大きさに成長したとしても、ちょうど、その間隔に入ってしまえば、画像的に確認はされないのです。ですから、術前検査で転移がないと判断されでも、手術中に転移が明らかになることもあります。

 大腸がんが血行性に転移をしやすい「肝臓」。この臓器は胃や大腸とちがって管状の臓器ではありません。中身がビッチリと詰まった実質臓器です。その表面に転移を疑わせる白い結節があれば、術中に確認することも可能ですが、内部に小さな転移の結節があったらどうでしょうか?術中でも確認は不可能です。肝臓を見て、触ってきても、数cm奥にある数ミリの転移など、確認することすら不可能です。

 そのような再発を自覚症状のないうちに発見する手がかりになるのが、先ほどの「CEA」です。この値が高値であった患者さんは、切除することにより、数週間かけて正常範囲に低下してきます。しかし、再発が認められると、再び上昇しはじめます。ですから、我々は、この数値の上昇すると、どこかに転移がでてきたのか?と思い、検査をします。しかし、前述しましたが、上昇しない場合もあるので、この血液検査だけではなく、症状がなくても定期的なチェックが必要になるわけです。

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