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Fukaya Proctology Department. Specialty Clininc of Anal Surgery and Screening Colonoscopy.

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「肛門が痛い!」とは言っても、「どれくらいの期間をかけて痛くなってきたのか」で、大きな違いがあります。

 いつから痛み始めたのでしょうか?そして、その痛くなった日から、痛みの程度はどうなってきたのでしょうか?強くなってきているのか、弱くなってきているのか、あまり変わらないのか?などを統合的に考えると、病気の種類もある程度予想がつくものです。分かりやすく解説するために、痛みの発症とその時間の経過を簡単に図で説明します。

 これからお話する内容は、決して医療機関を受診しないで済むような目的にしたものではありません。「多くの場合」で話を進めていますので、これから述べている内容で、「俺の症状はこれだ!」と、安心させているものではありません。あくまでも、正確な診断には、専門医の受診が必要という事を周知の上でご覧ください。

 また、自分は痛くも何もないのに、このページにたどり着いたという方は、是非一回読んで頂き、「こういう事もあるんだな」と予備知識を備えておくのも非常に大切です。是非一度、最後まで読んで頂き今後の参考になれば幸いです。

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①ある日を境に、突然痛くなった
②数日前から1週間程度の時間をかけて徐々に痛くなってきた
③何か月も前から痛みは感じていたが、だんだん強くなってきた

①や②のように短期間で痛みが強くなった場合、その原因が「がん」などの命に関わる病気である確率は、あまり高くありません。

 これまでお尻で病んでいた事なんて何もなかったのに、ある日突然痛くなる事があります。その様な経験をしても、痛みの程度にはよりますが、すぐに医療機関を受診する方は多くありません。しかし、数日前から気にはなっていたけど、日を追うごとにだんだん痛くなってきた、という事になれば、状況は変わってきます。さらに、日を追うごとに痛みが増強してくると、さすがに「ヤバい」と思い、勇気を出して受診する方が次第に増えてきます。

 これまで、肛門科を受診をした経験がある人ならば、心理的な抵抗も少ないため、受診する「ハードル」が低く、専門医をすぐに受診する傾向にあります。結果から言いうと、早いタイミングで受診すればするほど、「おおごと」にならずに事が済む事が多いのも事実です。

①~③のように、同じ「痛み」であっても、その症状の出方(時間の経過の差)によって、病気の種類は大きく異なります。



①「今日から、昨日から」あるいは「数日前(何曜日)から」、ある日突然痛くなった。

 「何曜日から痛い」と断定できるのが大きな特徴です。多くの場合、「血栓性外痔核」といって、簡単に言えば肛門付近にできた、皮下出血の塊、つまり「血豆」です。

 硬い便を出すのに苦労した、ひどい下痢をしたなど、何かしらの肛門に負担がかかったあとに、ある日突然肛門に「シコリ」ができます。押すと痛みがあり、大きさの程度は様々ですが、黒胡椒の粒くらいから、パチンコ玉、時には指の頭くらいの半球形の膨らみが突如として出現します。時に、負担をかけたような記憶がない方にも突然発症する場合もあります。

 また、もともと「いぼ痔(痔核)」があったのは知っていたたのですが、痛くもないし、出血も無いから放置していたら、その痔核内で出血し、急にサイズが大きくなり、「ある日」を迎える事もあります。

 痛みのグラフをでは、それまでまったく痛くなく、ゼロの線で推移していた横線のグラフが、その日を境界に突然上に向いたような状況です(①)。

 仮にそれが血豆(血栓性外痔核)であり、スイカの種くらいまでの大きさであれば、押せば痛いけども、日常生活に何も支障なく過ごせる事が多いようです。しかし、指の頭程度の大きさになると、普通に座っているのも違和感を感じ、時には苦痛で、オナラを出すときに半分お尻を持ち上げるような姿勢をずっと保っていないといられない状況になる事もあります。

 もちろん、悪性の病気ではないので、すぐに手術が必要という訳ではありません。投薬で様子を見ましょう、という事になりますが、違和感、痛みが強く、日常生活に支障を来すのであれば、手術による治療を行う場合もあります。

 また、「裂け痔や切れ痔」と言われる「裂肛」もこの類に当てはまります。便秘をしてしまい、硬い便、太い便をすれば、当然肛門上皮の一部が切れる(裂ける)事によって、「あの日から痛い」という訴えになります。多くの場合、左右は伸展性があり比較的切れにくいのですが、前方や後方のは、周囲の臓器とに境界になっており、伸展性に乏しく、裂ける頻度が高いのです。

 皆さんご存知の通り、転んで膝を擦りむいても、傷というのは時間で治ります。肛門の場合も例外ではなく、小さな傷であれば、何もせずに治る事もあります。しかし、切れるという事は出血も伴いますので、さすがに心配で医療機関を受診される方もおります。このような場合には、坐薬や軟膏などを出して、様子を見る事になります。傷の修復が促進されるので、使わないよりは、使った方がよいのは当然です。

 しかし、場所が場所だけに、なかなか受診せず、切れ痔の痛みを数ヶ月も放置してしまうと、時に慢性の裂肛になってしまい、いくら薬を使っても治りにくい傷になってしまう事もあります。2~3ヶ月薬を使用しても改善が見込めないと、手術による治療が必要になる場合もあります。



②数日前から痛みが始まり、日を追うごとに痛みが強くなってきた。

 最も考えやすいのは「肛門周囲膿瘍」に代表される、「膿」が溜まる病気です。「直腸周囲膿瘍」や、「粉瘤;ふんりゅう(アテローム)」もこれらに分類されます。

 最初は、「大した事ないかな」と思いつつ、押すと痛い?でも、「場所が場所だけに、まだいいか」と我慢しているのですが、日を追うごとに痛みが増強し、数日で我慢できないような痛みに発展する事があります。これが①とは大きな違いです。こうなると、病院の受診を躊躇している場合ではありません。座るのも苦痛で、一人で運転してくる事すら困難になる場合もあります。さらに、夜は眠れず、発熱する事もあります。

 「腫れ物に触る」とは、まさにこの事で、指で押せば、激痛を伴う事もあります。このような状態の患者さんを診察室から「〇〇さんどうぞ」と呼ぶと、診察室に入ってくるまでの時間がかかる事もあります。周囲の患者様からは、とてもお気の毒そうな印象を与えるような歩き姿で、ゆっくりと診察室に入ってきます。勿論、診察しないと分かりませんが、もし膿が溜まっているような状態であれば、適切な処置を施させて頂き、痛みを取る方向で治療いたします。

 しかし、やはり肛門という場所的に受診を控える方もいます。すると数日後に膿の溜まりがパンクして、自然と膿が流出する場合もあります。これを「自壊(じかい)」と言います。こうなると、それまでの痛みが嘘のように無くなります。自壊するまで我慢できずに医療機関を受診した場合、局所麻酔下に排膿する処置を施して、一日でも痛い期間を減らします。

 病院で切開して排膿した、あるいは自壊した、どちらの場合でも、のちに膿を溜めていた壁がスジ状に硬く残り、これがトンネルのような形状になります。これを「痔瘻(じろう)」と呼びます。このトンネルは原則的に自然治癒しない事が多く、その後も、同じ場所に膿が溜まるのを繰り返す事があるので、やはり一度専門の医療機関を受診する必要があります。

 しかし、やはり早いに越したことはないのは事実です。我慢すればするほど、後の痔瘻が複雑化して、治療で苦労する事もあります。

 例えば、手のひらサイズの風船をだんだん強く握ったらどうなりますか?指と指の間から、ゴムが膨らんできますよね?肛門周囲には、皮膚、肛門括約筋、直腸の壁などのしっかりした組織があり、それらの間には柔らかい結合組織が存在します。

 風船が指の間から膨らんでくるという事は、膿で例えると、毎日繁殖して量が増えている訳ですから、そのたまり場が毎日拡大していく事になります。しかし、硬い組織はなかなか侵入できません。

 膿は、柔らかい組織内を這うような形で、肛門周囲の柔らかい組織の方向にどんどん広がるように繁殖していきます。早い段階で膿が肛門に近い皮膚の直下に到達してくれれば、そこから自壊する可能性もありますし、医療機関を受診して排膿する処置で、「溜まりの拡大」を阻止できるのですが、皮膚からの距離が深い、いわゆる「直腸周囲膿瘍」であったり、または、本人が我慢強く、膿を長期間に「暖めて」しまうと、膿の溜まりは、肛門周囲の柔らかい組織内に進み、地中のアリの巣のように複雑に侵入します。

 そのような状態の痔瘻は非常にバリエーションに富んでおり、一般的に「複雑痔瘻」と呼ばれます。こうなってしまうと、肛門の治療を専門に行っており、さらに腰椎麻酔(下半身麻酔)が可能な医療機関で治療を受ける事が推奨されます。ちなみに当院では腰椎麻酔は行っていませんので、そのような症例に遭遇した場合は、患者様の地理的条件を踏まえて、治療が可能な病院を紹介させて頂いております。

 痔瘻は自然治癒しない、という原則があります。溜まった膿が出ただけの自壊、切開排膿は、実は痔瘻の始まりです。ならば、切開しなければ痔瘻にならないのか?と思うかもしれませんが、膿がしっかりと溜まった事による激痛を回避するには、手段はどうであれ、膿を出す以外に方法がありません。そして膿を出し切り、炎症が治まった状態で、「痔瘻が完成」するのです。

 痔瘻の有無は、素人でも簡単にわかる目安があります。その判断材料は、「左右差の有無」です。「こっち(右)側には少し硬いシコリがあるけど、こっち(左)側は無い」(あるいは左右逆)というものが触れれば、恐らく痔瘻は「あり」という事になります。ですが、時に肛門の後方にできる事もあるので、左右差が比較できない場所に発生する事もあるのも事実です…。何はともあれ、専門の医療機関を受診しないと、正確な判断は下せません。

 しかし、手術が必要と言われるかもしれないから、「病院を受診しない!」、「こんな状況を見せたら手術される!」と思ってはいけません。手術は「同意」が必要です。「受診したら手術」ではありません。我々が「治すには手術が必要ですよ」と説明しても、「手術は嫌だ」と言われれば、それに従うしかありません。

 「膿が出て、痛くなくなったらおしまい」ではありません。痔瘻がある場合には、手術を行い、痔瘻を完全に治す必要があります。痛くなくなったから、手術を受ける気が失せるというのも分かりますが、実はこの痔瘻、10年以上放置すると、稀ではありますが、そのトンネル上皮から、悪いもの「がん」が発生する事があります。聞き慣れないと思いますが、「痔瘻がん」と言います。

 こうなってしまったら、永久的な人工肛門は必須です。こうならない為に、膿を出すだけではなく、その後に起こる痔瘻は、手術で完全に治しておく事が推奨されるのです。

 実はこのように膿が溜まる背景には、糖尿病が隠れている事も珍しくありません。当院では、手術の前に肝機能、腎機能などの血液検査に加え、血糖値も検査していますが、この時に、本人も今まで気づいていなかった糖尿病が発見される場合もあります。その「程度」が非常に高度であれば、手術は延期です。しっかりと血糖値をコントロールできてからの手術となります。



③何か月もかけて、徐々に痛みが強くなってきた。

 世の中にはやはり我慢強い方もおり、数ヶ月前から痛みらしい「違和感」を感じていたにもかかわらず、「自分はもともと痔持ちだから」と解釈して、きっとそのせいだろうと放置する方がいます。しかし、さすがに、今までとは違い、なかなか気になる症状が治まらない、むしろ徐々に悪化してる?と自覚して、症状が現れてから何か月も経過して、ようやく医療機関を受診する方もおります。

 なかなか治らない切れ痔「慢性裂肛」も「数ヶ月前から痛い」、という訴えになりますが、ここで述べている③のような痛みグラフにはならず、同じ程度の痛みが横這いで持続している、という点が大きく異なります。さて、数ヶ月かけて徐々に痛みが強くなってきたという経験をしている人の一部に、皆さんが一番心配している「大腸がん」が潜んでいる場合があります。

 大腸がんが発見される多くのパターンは、「もともと痔はあったので、時々出血はあった。普段の出血なら、数日もすれば治っていたのに、今回の出血はなかなか治る様子がなく、長引いている。でも病院行くのも恥ずかしいし、面倒くさいし、自己判断で放置して様子をみてきたが、最近、便が細くなったり、便が残っているような感じもする。振り返ってみれば、今回の症状の出現から、もう数ヶ月も経過してしまった。」という感じです。

 当院で内視鏡検査を受けている方の殆どには検査中にお話ししているのですが、「大腸がんは、一部のポリープが何年もかけて成長した結果」なのです。ですから、①や②で述べたような、あの日から、とか数週間という短期間で成長するものではありません。ですから、「月単位」という長い時間をかけて成長するので、症状の出現もゆっくりなのです。

 実際にそのような体験(症状が出てから何か月も経過)しているにも関わらず、まだ医療機関を受診しておらず、とりあえずインターネットを探しまくり、ようやくこの文章にまでたどり着き、「自分はこの症状かもしれない」と思った方は、よっぽど我慢強いか、仕事が忙しいか、病院嫌いか…分かりませんが、少しでも心当たりがあれば、専門の医療機関を早く受診して、大腸内視鏡検査を受け、白黒ハッキリさせた方がよいと思います。

 消化管(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)の粘膜面には「痛覚」は存在しません。ですから、それらの臓器にがんが発生し、確定診断目的に内視鏡下に細胞を採取(生検)しても痛くないのです。でも、皮膚をつまんだら当然痛いですよね。「あれ?大腸は痛くない、肛門は痛い、その境目は?」と気づいた方はなかなか鋭いです!

 大腸と肛門の境界というのは、胎児の時期から見ても「人体の発生」の由来も違いますし、細胞レベルで見ても、円柱上皮から扁平上皮に移行する場所であるなど、専門的に言えば、いくらでも相違点はあるのですが、今ここを読んでいる多くの方は、そのような説明を求めているのではなく、一番の大きな違いは「痛覚」があるか無いかです。

 がんは、隣の正常な細胞を圧迫して大きくなるのではなく、破壊して大きくなるのです。その破壊された領域が、痛覚の無い場所であれば、当然「痛い」という症状は出ません。ですから、大腸がんの多くは、皮膚から遠い位置にあるので、「痛み」が伴わないのです。しかし、痛覚のある領域に破壊しながら広がったらどうでしょうか?

 肛門に極めて近い大腸がんは、肛門の痛覚のある皮膚に伸展します。勿論、肛門上皮にがんが広がってくれば痛みを伴います。放置すれば、激しい痛みに発展します。しかし、痛み曲線は、がんの成長速度に依存するので、③のように、何ヶ月もかけてゆっくりと増強するのです。

 しかし、このような③の症状の全てが「がん」ではありません。もともと、肛門周囲というのは、非常に敏感な場所で、神経が密に張り巡らされた場所です。時には痔もがんも何も無いのに、痛みが増強している、と訴える患者様もおります。原因を調べるにあたり、まずしなければいけない事は、「がん」を否定する事です。ここ2,3年以内に大腸内視鏡検査を受けていないのであれば、まず内視鏡で直接大腸を観察しなければなりません。

 その結果、明らかな悪性腫瘍が無ければ、坐剤や軟膏、内服薬といった薬で経過をみて、改善されない場合には手術が必要になる場合もあります。まだ肛門科の範囲で治療できるうちならいいのですが、がんとなれば、外科手術が必要になります。

 とにかく、③のように、長く症状を引きずらずに、我慢も羞恥心もほどほどにして、早いうちに専門医を受診して、内視鏡検査で異常が無い事を確認しておく事が最も大切です。

 「あ~、もっと早く受診しておけばよかった、もっと早く内視鏡検査をしておけばよかった」と後悔しない事が最も大切です。


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